解決事例
ご相談内容
被相続人の会社経営の相続
ご相談内容
相談者
会社をいくつも経営しておられた社長様で資産家であった被相続人の相続人相続に関する事情
被相続人にはご家族がいましたが、奥様は、専業主婦で会社のことや家計もご存じなく、お子様たちも同様でした。後日判明したところによれば、被相続人には、かなり資産はあるものの、経営していた会社の業績は思わしくなく、資産を上回る債務がありました。
ただ、ご家族は、他界された直後は、会社の保証債務が多大であることも知らず、債務があっても支払えるものと思っていました。しかし、会社の役員の方から少しずつ会社の状況を聞かされるうちに、債務が払えるのかとの不安になりました。資産もどこに何があり、どの程度の資産評価がとなるかもわからず、当事務所にご相談に来られました。
ご家族は何もご存じなく、経営していた会社の株式の評価や不動産評価、あるいは税金等も全く分からず、調査するにも時間がないことがわかりました。
解決策
まず、相続又は放棄の期間伸長及び相続財産の管理人選任の申立を行い、当事務所の弁護士を相続財産管理人に選任してもらい、当事務所の弁護士が管理人業務を行いました。調査自体は順調に進み、資産は不動産や預貯金、債権や経営しておられた会社の株式など多岐にわたることが判明しました。債務超過となるかは、資産が売却できるか否か、売却できたとしてもその価格について簡単に予測できない資産も多くあり、税金の問題もあって、早々には結論が出せない見通しとなりました。
そこで、とりあえず、相続した財産の限度で債務を支払い、余剰があれば相続するという方向で手続をすることとなりました。そして、相続について限定承認の申述を行い、奥様が相続財産管理人に選任され、当事務所の弁護士がその代理人として管理業務を行うこととなりました。
その間、債権者らから訴訟を提起され、これら訴訟に応じるとともに、訴訟の進行をにらみながら、様々な利害関係者、金融機関等の債権者や国税当局等とも頻繁に交渉を行いました。更に、資産の売却や債務の弁済を検討しなければならない状況となりました。
差押等もあり、最終的には、明らかな債務超過であることが判明するに至りました。
その為、裁判所に相続財産管理人としての報酬付与を認めてもらうとともに、相続財産の破産を申し立てて、ご家族の負担も最小限度にとどめることができました。