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第4章 遺言がある場合の相続手続についてーその2

2 遺言執行について

遺言の執行とは、遺言に記された内容を実現することです。

 しかし、遺言には、
① 遺言の内容を実現するために遺言執行者(遺言を執行する人)の執行を必要とするもの、
・ 推定相続人の廃除及びその取消
・ 認知

② 遺言の内容を実現するために遺言執行者又は相続人の執行行為を必要とするもの、
・ 遺贈
・ 祖先の祭祀主宰者の指定など

③ 遺言が効力を生じたことによりその内容は法的に実現し特に執行を必要としないもの、
・ 相続分の指定及び指定の委託
・ 遺産分割方法の指定及び指定の委託
・ 遺産分割の禁止
・ 遺贈の減殺の順序、割合の指定など

があり、遺言に記されているからといって必ず遺言の執行をしなければならないものではありません。

遺言執行者について

遺言執行者は、遺言に記された内容を実現する人のことです。

① 遺言で指定されその就職を承諾した人、
② 遺言で遺言執行者を指定することを委託された人から指定を受けた人、
③ 遺言執行者がいないときに、相続人などの利害関係人が家庭裁判所に申立てることによって選任された人
のことをいいます。
 遺言執行者は、相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利と義務を有していますので、遺言執行者がいる場合、相続人は、相続財産を処分したり、その他遺言の執行を妨げたりするような行為をすることはできませんので注意が必要です。

遺贈の承認と放棄手続について

遺言によって遺産の全部または一部の譲与(遺贈)する場合、大きく分けて、財産の全部または財産の例えば4分の1というように分数的割合で遺産の一部分を包括して遺贈する包括遺贈と、特定の財産について遺贈する特定遺贈があります。
包括遺贈を放棄する場合には相続放棄と同様に3か月以内に家庭裁判所に手続を行う必要がありますが、特定遺贈を放棄する場合には、特に期限や家庭裁判所への手続の必要はありません。

次回ー相続対策についての検討

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