相続問題を解決する名古屋の弁護士法律事務所

弁護士法人 東海総合

土曜日・夜間も相談対応

 052-232-1385

受付時間 9:00~18:00(平日)

 お問い合わせ

『異母兄弟・異父兄弟も相続人?(その2)』

以前、本HP上に異母兄弟・異父兄弟の相続分等についてのコラム(https://tokai-e-souzoku.com/column/277/)を掲載させていただきましたが、今回は同コラムの第2弾となります。

近時、相談者の方から弊所に寄せられる異母兄弟・異父兄弟との間の相続紛争相談の中で、とりわけ多いのが、「親が亡くなり戸籍を調べたところ、異母兄弟・異父兄弟の存在が発覚した。遺産協議に参加させなければならないのか?」といった、そもそも異母兄弟・異父兄弟が相続人となるのかという相談です。

相続の手続きをするにあたっても、まずは誰が相続人となるのかを整理しなければ手続きを開始することすら出来ず、対応がどんどん遅くなってしまいます。
場合によっては、相続放棄や相続税の申告といった法律上期限が定められている手続きを徒過してしまうような事態になりかねません。

このような事態に陥らないためにも、法律上相続人となる異母兄弟・異父兄弟の範囲について予め正しい知識を持っておくことが大切です。

本コラムでは、法律上相続人となる異母兄弟・異父兄弟の範囲について、さらに掘り下げてご説明させていただきます。

1.誰が相続人となるかのメルクマール
まず、前回のコラムのおさらいですが、日本の民法では誰が相続人となるかは、現在の生活状況などよりも血縁関係に着目して決せられます。
そのため、異母兄弟・異父兄弟であったとしても、血の繋がりがある場合には、相続人となる可能性が出てきます。

2.相続人となる異母兄弟・異父兄弟とは
では、血の繋がりのある異母兄弟・異父兄弟とは具体的にどのような意味でしょうか。
それは、亡くなった方と血の繋がり(養子等も含む)のある異母兄弟・異父兄弟という意味です。
つまり、
①父母が亡くなった場合(亡くなった方の子や孫がいる場合)
父親が亡くなった場合には、父親を同じくする異母兄弟が、母親が亡くなった場合には母親を同じくする異父兄弟が、相続人となり得ます。
他方、例えば父親が亡くなった場合に母親のみを同じくする異父兄弟は、亡くなった父親と血の繋がりはありませんので相続人にはあたりません(※亡くなった父親と養子縁組等をしている場合には別です)。

②兄弟が亡くなった場合(亡くなった方に子や孫、直系尊属がいない場合)
兄弟が亡くなった場合、その兄弟に子や孫、直系尊属(父母や祖父母)がいない場合には、他の兄弟が相続人となります。
そして、異母・異父いずれにかかわらず、片方でも親を同じくしていれば異母・異父兄弟も相続人となり得ます。

3.異母兄弟・異父兄弟の取扱いの違い
次に、これまで相続人となり得る異母兄弟・異父兄弟の範囲を説明してきましたが、異母兄弟・異父兄弟の取扱いで大きな違いが1点あります。
異母兄弟の場合(父親を同じくする場合)には、その異母兄弟が父親の結婚中に生まれた子供であるか、という点が問題となります。
法律上、結婚中でない男女の間に生まれた(婚姻中に懐胎していない)子供は非嫡出子といい、父親との親子関係を確定させるためには認知という手続きが必要となります。
そのため、異母兄弟が父親の結婚中の子供でなく、かつ、認知もしていなかった場合には、父親との親子関係が法律上確定していないことになるため、その父親が亡くなった際の相続権は生じないこととなります。
他方、異父兄弟の場合(母親を同じくする場合)には、その母親とその異父兄弟の血の繋がりは分娩の事実から明らかですので、その母親と異父兄弟の親子関係は確定しているものとして認知などを問題にすることなく、相続人となり得ます。

4.弁護士にご相談を
今回は異母兄弟・異父兄弟に関する相続のうち、とりわけ相続人となり得る範囲について掘り下げて説明しました。

もっとも、相続放棄の検討や相続税の申告等、相続手続きの時間的な制約もある中で、これまで親交の乏しかった異母兄弟・異父兄弟の中から相続人となり得る人物を独りで検討することは実際上難しいと考えられます。

相続問題を適切に進めるためには、ぜひ経験が豊富な弁護士にご相談ください。

 

令和4年3月28日

弁護士法人東海総合
弁護士 桝村 海士

その他のコラム

第4章 遺言がある場合の相続手続についてーその2

2 遺言執行について 遺言の執行とは、遺言に記された内容を実現することです。  しかし、遺言には、 ① 遺言の内容を実現するために遺言執行者(遺言を執行する人)の執行を必要とするもの、 ・ 推定相続人の廃除及びその取消 ・ 認知 ② 遺言の内容を実現するために遺言執行者又は相続人の執行行為を必要とするもの、 ・ 遺贈 ・ 祖先の祭祀主宰者の指定など ③ 遺言が効力を生じたことによりその内容は法的に実現...

第4章 遺言がある場合の相続手続についてーその1

1 遺言について  遺言(いごん)は「人が死後のために残す言葉」という意味に用いられておりますが、法律的には、「財産の処分方法や認知などの身分関係に法的に効力を生じさせる目的で、一定の方式に従って行う意思表示」という意味があり、次のような7種の方式があります。 検認手続きについて、封印のある遺言は、偽造等を防ぐために、家庭裁判所において、相続人またはその代理人の立会がなければ、開封できません。勝手に開封してしまうと過料に処...

『法改正で変わる自筆証書遺言を解説』

昨年、相続法について、じつに約40年ぶりとなる大幅な改正がなされました。   改正された分野は相続法の中でも多岐に渡りますが、中でも、遺言、とりわけ一般の方々も関わる可能性が高いと考えられる自筆証書遺言についても、改正の対象となりました。   では、そもそも自筆証書遺言とはどのようなものでしょうか、また、今回の改正ではどのようなことが変わったのでしょうか?   ...

『相続法の改正によって図られた配偶者保護とは?③~配偶者居住権』

本稿では,2018年7月1日より施行の改正相続法において新設されました「配偶者居住権」について詳しく解説をしていきます。   1 相談事例   相談者は高齢の女性で,以下のような相談をしに法律事務所を訪れました。   「先日(2020年8月1日),長年連れ添った夫を亡くしました。遺言書は残さなかったようです。私には娘が1人だけいますが,今は遠く離れた地で家庭を築...

第3章 遺言がない場合の相続手続についてーその2

2 遺産分割について  ある人が亡くなり、相続人が数人ある場合には、遺産(亡くなった人の財産)は、相続人全員が共有する状態になります。これを、相続人全員で、誰が、何を、どのような割合で、どのように分けるかを決める手続が、遺産分割と呼ばれています。 遺産分割は、まずは相続人全員の協議によってなされますが、協議が調わない場合には、家庭裁判所の調停・審判手続によって最終的な解決が図られることになります。 3 相続分の決...

遺産分割・生前対策法律相談お問合わせ

まずはお気軽に、お電話またはフォームよりお問い合わせください。