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『法改正で変わる自筆証書遺言を解説』

昨年、相続法について、じつに約40年ぶりとなる大幅な改正がなされました。

 

改正された分野は相続法の中でも多岐に渡りますが、中でも、遺言、とりわけ一般の方々も関わる可能性が高いと考えられる自筆証書遺言についても、改正の対象となりました。

 

では、そもそも自筆証書遺言とはどのようなものでしょうか、また、今回の改正ではどのようなことが変わったのでしょうか?

 

1.自筆証書遺言とは

 

自筆証書遺言とは、自分で書いて遺す方式の遺言書のことです(民法968条)。

全文・日付・氏名をそれぞれすべて自分で書く、押印をするといったルールのほか、訂正等をする場合には付記をして署名・押印をしなければならないというルールがございますが、それ以外の方式等は特に決められていない、比較的手軽な方式の遺言書です。

 

2.今回の改正点

 

今回の改正では、自筆証書遺言に関して大きく次の2点が変更されました。

 

改正点①:法務局(遺言書保管所)で保管してくれるようになった

改正点②:相続財産の目録は自書しなくてもよくなった

 

(1)改正点①法務局で保管してくれるようになった、とはどういうことか?

 

自筆証書遺言は手軽に作成できるという反面、自ら保管しなければならないため、紛失や偽造・変造といった問題がこれまで多く挙げられてきました。

 

そうした問題を解消すべく、今回の改正によって自筆証書遺言であっても法務局で保管してもらえるようになりました(遺言書保管法)。

 

具体的には、遺言者の住所地若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所が保管してくれます。

 

申請の際には遺言書保管所に本人が出頭しなければならない、保管申請の手数料が必要、といった多少の手間や費用はかかるものの、手軽な方式で作成できるという自筆証書遺言のメリットを残しながら、厳格に保管してもらえるという公正証書遺言のようなメリットも受けられるようになりました。

 

この自筆証書遺言の保管制度は、令和2年7月10日より実施されています。

 

相続をめぐる紛争を未然に防止するためにも、この自筆証書遺言の保管制度の利用数は今後ますます増加していくでしょう。

 

 

(2)改正点②相続財産の目録は自書しなくてもよくなった、とはどういうことか?

 

上でも書いたとおり、自筆証書遺言には「全文を自分で書く」というルールがあります。文字どおり自分ですべて「手書き」する必要があり、パソコンで打ったり、他人に代筆してもらったりすると無効となってしまいます。

 

しかし、遺産に不動産が含まれる人などは、所在地や地番、地目、地積といったものまですべて手書きするのはとても負担です。

 

そこで、今回の法改正によって、平成31年1月13日以降、遺産の内容を記す財産目録については、自分で手書きしなくても良いこととされました(民法968条2項)。

 

パソコンで入力したり、他人に代筆してもらったりするのみならず、登記事項証明書や預貯金通帳のコピー自体を財産の目録としても良いとされています。

 

3.弁護士にご相談を

 

以上のとおり、自筆証書遺言とはどのようなものか、今回の改正でどのようなことが変わったのかをご説明しました。

 

自筆証書遺言はご本人自ら作成できる手軽な遺言です。しかし、遺産を渡したい人を細かく指定したい、渡す遺産の割合を個別で詳細に指定したい等、複雑な意思を遺したい場合、お独りでは有効な遺言書が作成できない可能性が高いです。

 

ご自身のご意向を遺言書で正確に遺したい場合には、ぜひ経験が豊富な弁護士にご相談ください。

 

令和2年8月4日

 

弁護士法人東海総合

弁護士 桝村 海士

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